【サムトル】「みんなの海を守ろう!」海洋汚染問題に取り組む小学生起業家チームmoco Earthメンバーにインタビュー!
もくじ
こんにちは!SOZOW ライターのまーくんです。
今回は、4月16日に神奈川県平塚市の湘南ベルマーレひらつかビーチパークで開催されたワークショップ「SAMURAI TRUSH〜スピリチュアルワールド〜(略してサムトル)」の様子をお届けします。
👆サムトルのロゴ!かっこいい!
サムトルとは、株式会社moco Earthが主催する環境イベントです。ビーチクリーン活動で収集したゴミを専用アプリで利用できる通貨「ゴーミー」に変換。それを特産品やワークショップへの参加にポイントとして利用することができる「ゴミ拾い×アプリ×アート」のイベントです。
👆実際に使用された専用アプリ。アプリを開発したのは、なんと小学五年生!
「海洋汚染の問題を自分ごととして捉えてもらうにはどうすればいいだろう?」
このような問題提起から生まれたサムトルを主催したのは、株式会社moco Earth!
取締役社長の小学生起業家mocomoco(モコモコ)を中心に、企画の進行管理担当のこうた、会計担当のちびめがねまんの三人の小学生がイチから立ち上げられた環境イベントです。
さらに、mono Earthは「スタートアップjr.アワード2022」に出場し、サムトルのピッチを行なった結果、小学生の部で特別賞を受賞することができました。
【第4回スタートアップJr.アワード2022】mocoEarth:細井 愛茉/福本 晃大/髙橋 史之輔(小4/小5・東京都・千葉県)「SAMURAI TRUSH〜スピリチュアル・ワールド〜」
そこで、moco Earthのメンバー三人にインタビューし、サムトルを開催するまでの経緯やサムトルに込められた想い。
さらに、株式会社としての事業活動で得た気づきやこれからの展望などについてたっぷりとお話をしていただきました。
子どもたちにも楽しんでもらえるように
ースタートアップjr.アワード2022で「小学生の部・特別賞」を受賞した「サムトル」ですが、そもそもどのようにして立ち上がったのですか?
「サムトル」は、私のささいな思い付きから生まれた企画でした。
私が過去に地域のゴミ拾いに参加したときに、正直「楽しくないな」と感じましたし、実際に「楽しい体験」ではありませんでした。もちろん、ゴミを拾うことで地域の美化活動に貢献できている実感はあったのですが、「ただゴミ拾いをしているだけ」という感覚がどうしても拭えず、活動自体も今後広がっていくことが想像できませんでした。
だったら、ゴミ拾いに限らず、環境保護(美化)活動が「おもしろい!」「楽しい!」と感じられるイベントを自分で企画すればいいのではないかと思い、その気づきがサムトルを開催する大きなきっかけになりました。
ゴミ拾いをするだけではなく、集めたゴミの量に応じてポイントに変換し、集めたポイントを景品と交換できるシステムがあれば、大人だけでなく子どもにも楽しんでもらえるんじゃないか。
そうすれば、もっと楽しみながらゴミ拾いをできるんじゃないかと思ったんです。
ーサムトルでは、アプリを使って集めたゴミをゴーミー(イベント内で利用できる独自ポイント)と交換できる仕組みが魅力的だと思いました。このアプリはどのように開発したのですか?
簡単にアプリをつくれるサイトを使って開発しました。
開発したアプリは今も使えますし、今後のイベントでも活用するつもりです。
ーmoco Earthが作成したイベントレポートでも、参加者のみなさんが楽しそうに活動されている様子の写真が印象的でした。
未就学児の子どもから大人の方まで、全員で20名の方が参加してくれました。いろんな年代の方に楽しんでもらえるように、未就学児の子にはシャボン玉を用意したりと景品の種類も工夫しました。
活動資金はクラファンで調達
ーサムトルを開催するにあたり、クラウドファンディングで資金を集めたんですね。目標金額は15万円でしたが、最終的には16万1000円集まっています。この結果についてどのように感じていますか?
moco Earthとしてクラウドファンディング*に挑戦するのは今回で3回目でしたが、正直今回がいちばん苦戦しました。
どうすればより多くの人に私たちが成し遂げようとしていることが伝わり、応援したいと思っていただけるか。毎回試行錯誤しながら取り組んでいるのですが、今回は開始当初からあまり集まりがよくなくて…。
目標金額の達成が難しそうだと感じたので、インスタグラムを使ってこの活動を宣伝をしたり、SOZOWのスタッフの方にもDMでメッセージを送りご協力いただきました。
そんな風に試行錯誤している中でうれしいこともありました。
岡山県でワークショップをした際に参加してくださった方が、私たちのクラウドファンディングをいろんなところに告知をしてくださったんです…!
そのおかげもあり、海を超えてなんと台湾にまで届き、その方も拡散に協力してくださるなどと本当に多くの方からの協力を受け、無事に目標金額を達成することができました。
今までの活動を通じて得た「繋がり」が実を結んだ瞬間だったこともあり、目標金額を達成したこと以上に、そういった繋がりを実感できたことが嬉しかったです。
⋆クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指す。
地元企業からの協賛で魅力的なワークショップへ
ー今回のイベントは、地元の農家さんたちからの協賛プロジェクトでした。どのような過程を経て実現したのですか?
まず、出品や協力をお願いする必要がありましたので、直接お願いする機会を設けてもらうところからはじめました。
今回のサムトルを行った海岸の近くに、新鮮なフルーツを使用したスイーツ・ジュースの専門店である「八百屋コウタ」さんがあり、私がお店に行ってワークショップの景品提供に協力していただけませんかとお願いに行きました。
私の申し出を聞いてくれたお店の方もご多忙のなか対応してくださったので、十分な時間を取ることが難しく根気を要する作業になってしまったのですが、何とかいちごを提供してくださいました。
他にも、青山ファーマーズマーケットにある「Y’s store(わいずストア)」さんという八百屋さんにも協力してくださり、無農薬、減農薬で育てられたきゅうりやにんじん、じゃがいもなどのお野菜を提供してくださいました。
ー地元企業の方から協力を得るためにがんばったことはありますか?
私たちがどんな活動をしていて、なぜ力をお借りしたいのかをていねいに説明しました。すると、「子どもたちがこんなに一生懸命活動してくれるなんて感動した!」と言ってくださり、お野菜を提供してくださいました。
もちろん、タダで提供してもらうわけにはいかないので、Y’s storeさんには野菜を提供いただく分、私が青山ファーマーズの店頭で一緒にお野菜を売るお手伝いをしました。
ゴミを拾うほど楽しめる仕組みが大好評!
ー準備段階だけでもいろんな苦労があったわけですが、サムトルの活動中に感じたことや参加者の感想で、どんなものが印象に残っていますか?
今回のサムトルに参加するためにわざわざ静岡県から来てくださった方がいて、とても嬉しかったです。参加してくれた小学生の子たちは「楽しかった」と言ってくれました。
「ゴミを拾えば拾うほどアイテムと交換できる仕組み」が子どもたちにとって環境問題や海洋汚染に興味を持つきっかけになったみたいです。
今までは進んでゴミを拾うことができていなかったけど、「ゴミを拾っていいことをした上に、楽しみながら活動できた」と、楽しみながら取り組んでもらうことができました。
その言葉がとても嬉しかったし、ワークショップを開催した達成感も感じることもできました。
ー今回のサムトルは、特にどんな人に参加してほしかったのですか?
私は、特に子どもたちに来てほしいなと思っていました。今回も親子連れで来て下さる方もいて、未就学児の子も来てくれたのでうれしかったです。
僕も、若い世代の人にもっと地球環境の現状を知って欲しいなと思っていました。
僕も若い世代の人にもっと知って欲しいと思っていましたが、今は年代の垣根を超えてもっとたくさんの人に知って欲しいなと思います。
ーサムトルの活動中に何かハプニングは起きましたか。また、それをどう解決しましたか?
もともと予定していた開催日が4月15日だったのですが、雨で翌日に延期になりました。
ゴミがより多く集まる条件として主に、風向き、季節、降水量、地形の出っ張りの4つの要素が大きく関わります。
翌日の開催当日は、前日に雨が降った影響で流木がたくさんあり、海洋汚染に影響するプラスチックのゴミ(ペットボトルやマイクロプラスチックなど)を拾ってもらうことを想定していたにも関わらず、その流木をゴミとして拾い、私たちが事前に予想していた以上にゴーミーを簡単に獲得できてしまう事態が起きました。
その結果、ゴミをたくさん拾って景品をたくさんゲットできる人とそうでない人の間で大きな差が発生してしまい、スタッフの人数に対してレジ(ゴミをゴーミーに換金する場所)に長蛇の列ができてしまったので、途中から流木はゴーミーに変換できる対象から外すことにしました。
悪天候による非常事態とはいえ、検討する必要はありませんが、天気予報だけでは対応できないのが自然を相手に仕事をする難しさだと感じました。
せっかくがんばってプラスチックゴミを拾っても、景品をゲットできなかった人もいたので、今後はそのようなことが起きないように改善するべきだと思っています。
サムトルの日はとても暑く、人手も足りなかったので予想以上に疲れてしまいました。健康管理も重要なことなので、夏のワークショップに向けて対策を考えようと思います。
ー今回のサムトルで得た課題や反省は、今後どのように解決しますか?
単純に景品を増やす選択肢もありますが、資金も限られているので、景品と交換できるゴーミーの価値を減らす必要があると思います。
海のゴミを拾ってもらうことで、参加者の方たちがどんなことを思ってどんな学びを得てくれたのかということが重要なので、マイクロプラスチックなど、より海洋汚染に影響が大きいゴミをより多くのゴーミーに換金できるなど、ゴミの中でも価値に差をつけるのもいいかなと考えています。
moco Earth設立 1周年を迎え
ー先日、moco Earth設立1周年を迎えたんですね。おめでとうございます。この1年間、株式会社として活動してきて様々なことがあったと思います。設立当初と現在では、気持ちの変化はありますか?
ありがとうございます!
設立当初は自分たちにできることから始めていこうという思いが強く、依頼された仕事を受けて活動することが多かったのですが、さまざまな経験や学びを得るにつれ、サムトルのように自分たちで0からプロジェクトを立ち上げて活動するようになりました。
moco Earthは慈善団体ではなく、株式会社だからしっかり利益を生み出さなければいけないので、会社事業やイベントにスタッフや支援者、参加者として協力してくれる人を増やしたり、メンバーのスキルをもっと高めていく必要もあります。
今後、moco Earthの認知度をより広げていくためにも、私自身が広告塔となって環境保全に関するイベントに登壇したり、ピッチやコンペにも積極的にエントリーするなど、個人(キャラクター)としての知名度を上げていく活動もしていこうと思っています。
何より、みんなが積極的に関わりたくなる会社をつくっていきたいです。
moco Earthのメンバーとして活動していくにつれて、地球環境の深刻さをより感じるようになりました。
活動をしている最中も、「本当にこれは自分たちで解決できる問題なのか?」と自問自答することが多かったです。
ただ、1年間活動してみて、いろんな方から「参加してよかった!」「一緒に活動できて楽しかった!」という感想をいただくようになり、「自分たちが意味のある活動をしているんだな!」と実感できる瞬間が増えてきたように感じます。
この一年で、moco Earthとしての活動の幅が広がってきていると感じています。
サムトルも考えることややらなくちゃいけないことが本当にたくさんあってすごく大変だったけど、その分、自分たちがやろうとしていることの大きさを実感するようになりました。
「誰かがやってくれる」ではなくまずは”自分”が
ー環境問題を解決することをミッションとして掲げていますが、どのような使命感があるのでしょう?
私は、地球を守るための活動は、自分たちの未来を守るための活動でもあると思っています。
以前とある勉強会に参加したときに、私が高校生になるときにはガスマスクをつけて生活しなくちゃいけなくなるかもしれないと知って、そんなのは絶対に嫌だと強く思いました。
環境問題のような規模の大きい話は「誰かがやってくれる」とつい他人事と捉えてしまいますが、「もしかしたら本当にガスマスクをつけて生活することになるんじゃないか」と、自分の身に起こることとして常に「自分ごと化」するようにしています。
これまでたくさんの人が地球を守るために活動してきてくれているので、そのバトンを絶やしてはいけないと思います。
僕が環境問題について考えるようになったきっかけは、SOZOWのプロLIVEで環境活動家であり実業家の谷口たかひささんのお話を聴いて衝撃を受けたことです。
谷口さんの「君たちは、地球環境に歯止めをかけられる最後の世代になるかもしれない」という言葉がすごく心に響いて、「誰かがいつかやってくれる」という他人任せの考えから「自分が今やらなくちゃいけない」と本気で思うようになりました。
今もその思いは変わらず持ち続けています。
僕は学校で環境問題について学ぶことがあり、このままじゃ地球の未来が危ないということを知っていましたが、正直、最初は自分が行動しなければならないと思うほど気にしていませんでした。
でも、SOZOWのSDGs部*に入って地球環境の深刻さについて知ったり、みんなで環境問題について学んだりするにつれ、自分にも何かできるんじゃないかと思い始めました。
その思いが変わることなく、今も活動し続けられているのは、何より自分たちが楽しみながら活動できているからこそだと思います。
⋆SDGs部とは、地球上の問題をどう解決できるかを考え行動するSOZOW会員限定の部活動です。
ー環境問題を「自分ごと」として捉えるのは決して簡単なことではないと思います。自分たちの地球環境に対する危機意識と周りの人たちのギャップを感じる瞬間はありますか?
学校で「地球環境を守る」という話をすると、友達からバカにされてしまうこともあります。
でも僕はそういう人たちにこそ、環境問題の現状を知って行動してほしい。
そこで、仲の良い友達と協力してスライドをつくって、同じ学年の人たちの前でスピーチをしました。そうしたら10人ほど、「自分も協力したい!」とぼくに声をかけてくれたんです。
これからは他学年の人や中学生、高校生のような人たちにもスピーチができたらいいなと思います。
僕も、学校でmoco Earthの活動やサムトルについて話すことがあります。
ほとんどの人は「すごいね」とか「おもしろそう」と肯定的な反応をしてくれるのですが、仮に肯定してくれなくても、その人が理解できるようにわかりやすく伝えながら納得したり共感してくれる人を増やすことが大事だと思っています。
ー現在、moco Earthではイベント活動にスタッフ等として協力してくれる人を募集していますか?
今はしていませんが、これから人を増やしていく必要はあると思います。
会社に深く関わってくれる人や、イベントごとに参加してくれる人など、どれくらい深くかかわってくれるかコミットの深さを分けながら募集したいです。
ただ、私のように起業して仲間を集めて活動できる人は限られていると思います。イベントの開催場所もやはり東京が多いです。
でも、地方に住んでいる人にも、環境問題に関わりたいと思ってくれている人はたくさんいるし、もっと深刻な悩みを抱えている地域もたくさんあると思うので、そういった人たちともサムトルなどで一緒に活動できるようにしたいです。
今回のサムトルでも、20人の参加者に対し、私たち3人で運営しなくちゃいけなかったので、親の力も借りながらがんばりましたが、もっとスムーズに運営できる仕組みをつくれるようにしたいです。
ーmoco Earthのメンバーにはどのような人に集まってほしいですか?
僕はアプリ開発をしているので、一緒にプログラミングでアプリをつくれる人がほしいです。
僕は特に誇れる特技やスキルはなくても、「地球を守りたい!」という想いを持っている人と一緒に活動したいです。
「この人なら応援したい!」と思ってもらえるように
ー今はメディア事業やワークショップを中心に活動されていると思いますが、今後はどのように活動の幅を広げていきたいですか?
moco Earthとして活動を続けていくためにも、まずは「この人だったら応援したい!」と思ってくれるファンを増やす必要があると思います。
私という人間が、moco Earthという会社が、魅力的に思ってもらえるように、ファンを増やしていきたいです。
もっといろんな地域にサムトルを広めたいと思っています。
僕も改良を重ねながらもっといろんな人が楽しんでくれるサムトルにしていきたいと思っています。
まとめ
海洋汚染問題に取り組むmoco Earthメンバーへのインタビュー。
「環境破壊の深刻さに気づいてほしい!」
「一人でも多くの人に環境問題を”自分ごと化”してほしい!」
そんな切実かつ熱い想いがうかがえるとても刺激的なインタビューとなりました。
地球環境の問題を自分ごととして捉え、なかなか行動することができない人が多い中、三人の小学生がクラウドファンディングで資金を集め、ワークショップを開催する姿に感銘を受けた方も多いのではないでしょうか?
会社設立から1周年をむかえたmoco Earth。今後の活動とますますの成長に目が離せませんね!
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