SOZOWの支援体制(運営体制の紹介)

【We Are SOZOW !!】心理的安全性のあるコミュニティ運営で子どもたちに安心を(鯉江 真奈/コミュニティマネジャー)

We are SOZOW!!

子どもたちの想像力・創造力を育もうと仕事をするわたしたちが、どんな思いや背景を持ちながらSOZOWに向き合っているのかを紹介します。

今回は、コミュニティマネージャーとしてSOZOWのキャンパス運営や各種イベントの企画を担当している「こいさん」こと、鯉江真奈さん( @koieeeeeeeeeee )にインタビューした内容です!

「信頼できる人」と働けるSOZOWに惹かれた

ー子どもたちだけでなくSOZOWのスタッフたちのコミュニケーションが円滑になるような活動をされている鯉江さん(以下:こいさん)ですが、どういう経緯でSOZOWに?

きっかけは、習い事事業リーダーのいのちゅー(井上)です。

彼は同じ大学の二つ下の後輩なのですが、同窓会で数年ぶりに会ったときに「仕事は何をしてるんですか?」と訊かれ、「コミュニティマネージャーのフリーランスをやってます」と答えたんです。

すると、「SOZOWでコミュニティマネージャーを探してるから、よかったら説明会へ参加しませんか?」ってフランクに誘ってくれたので参加したのがきっかけです。

ー説明会に参加し、SOZOWに関わろうと…(思った)?

お互いのニーズがマッチをした、というのが適切かもしれません。

”コミュニティ管理を専任でやれる人が欲しい”というSOZOW側のニーズと、”コミュニティマネージャーとして仕事したい”という私のニーズがうまく噛み合ったので「これはチャンスかも!」と思ったんです。

説明会を受けてみて、率直な感想が「めちゃくちゃ面白そうな会社だな」と。笑

随分ざっくりした言い方になってしまいますが、理由は大きく二つあります。

ひとつは働いてるメンバーがめちゃめちゃ面白そうだなと思ったこと。

もうひとつは、SOZOWの理念に共感できたところです。

一つ目の部分ですが、説明会に参加した時に習い事の事業リーダーをやっているいのちゅー(井上)と、スクール事業リーダーのいがちゃん(位川)、そして代表のコスケさん(小助川)が話をされていて、3人が3人ともすごい熱量で話していたのが印象的でした。

言葉の節々に子どもたちへの思いや優しさを強く感じて、これはもう直感的に「あ…私、この人たちと一緒に働きたい!」と。

二つ目の理由の理念に共感したって部分は、子どもの”スキ”を尊重して好奇心の赴くままに「やりたい!」っていう子どもたちの素直な気持ちを受け止めている点が大きかったんですよね。

それだけでなく、実現できる環境を必死になって整えようとしている所がすごく魅力的で、「SOZOW」ってサービスに内包されている根底的なサービス事業者としての態度と姿勢がステキだと感じたこと、これが二番目の理由です。

👆会社設立3周年記念のパーティーの様子。こいさんもスタッフのみなさんもいい笑顔です!

ーこいさんは元から教育事業に関心があったんでしょうか。

いえ、特別に強い関心があったわけではありません。笑

ただ、大学時代、国際公共政策という学科に所属しており、政治経済、法律、その他諸々をグローバルな視点で学んでいこうという学科だった中で、とりわけ私が興味を持っていたのは「報道」と「教育」でした。

発展途上国に行き、現地の子どもたちに対してワークショップを開催したり、英語を教えたりしていたこともあり世界基準で教育について考える経験は積んでいたようには思います。

実際に発展途上国へ行ってみて感じたのは、自分が能動的にアプローチできる相手は、「日本でやりがいをなくして働いてる人たち」なんじゃないか、と。

たとえば、地下鉄で舌打ちする人を見て不愉快な気持ちになったとして、そういう擦れてしまった人たちをなくそうとしたら、それぞれの人生に影響を与えるような根本的な時間や機会にアプローチする必要があるなぁ…なんて考えてました。

いま振り返ってみると、人格形成の手段として教育について考えることを学生時代からしていたかもしれません。

コミュニティマネージャーの仕事は「心理的安全性を保つ」こと

ーこいさんは元々SE(システムエンジニア)をされていて、フリーのコミュニティマネージャーへと転身されてますが、職種をピボット(方向転換)しようと思ったきっかけは?

きっかけとしては、過去に所属していた会社がオンラインコミュニティの活性化をコンセプトにしてる会社で、そのミッションにめちゃめちゃ惹かれて入社したんです。

ただ、自分は会社という枠組みの中で働くのが「向いてないな」と思いはじめた時期でもあり…。笑

そこで「会社員を辞めた場合の働き方」を考えてみると、エンジニアとしてではなくコミュニティマネージャーとしてやっていきたいと思い、実際にそうすることにしました。

学生時代から何かを企画をし、参加した人が喜んだり感謝されたりすることに大きな幸せを感じていたので「コミュニティの運営者」って役割が好きだったんです。

もちろん、闇雲にコミュニティ運営するだけではサービスを提供する事業者としてやっていけませんから、メンバーの退会率や満足度といった数値指標も大切にしています。

ただ、私は自身が運営する立場で参加者の喜んでいる様子を受け取ることでメチャクチャ満足感を得られる人間なので、そこに仕事のモチベーションを感じています。

ーフリーランスになることに不安はありませんでしたか。

会社員って立場になってみてはじめて気づいたのですが、先ほども述べたように「どうやら会社員、あってないみたいだぞ…」と気づいたというか思い知ったんですよね。

なぜかというと、「一緒に仕事をする人を選びたいな」と思ってしまったんです。

これって正直、会社員には向かない思考だと思うんですよね…苦笑

自分がこれから先より幸せに生きていくために何が必要な要素なんだろうと考えたときに、信頼できる人と一緒に働くことが必要だ…と

SOZOWに関わるようになったきっかけはいのちゅーだと言いましたが、それは彼を信頼しているからこそだったわけで、ある意味その信頼があったからこそSOZOWに関わりたいと想えた部分が少なくありません。

ただ、私のSOZOWへの関わり方は正式なフルコミットのメンバーではなく外部フリーランスとして委託を受けて働く形です。

この理由は2つあって、ひとつはSOZOW以外でも関わりを持っているコミュニティがあるので、SOZOWでの業務に1日8時間割くのが現実的に難しいこと。

もうひとつは、私が住んでいるのが地方(石川県の中でも規模の小さい自治体)なので、フルコミットで働くには不便してしまう場面があるという現実的な理由からです。

フルコミットではなく業務委託メンバーという少し距離がある立場だからこそ、人とのコミュニケーションの取り方を客観的に考えられている気がします。

コミュニティマネージャーのような人の感情に対して向き合うような仕事をすることで、自分の抱く感情以外の感情に惹きつけられてしまうことが少なくありません。

それで自分がちょっと心理的に参ってしまうことがあるんですよね。

気をつけるようにはしているのですが、そういった特性のある仕事だからこそ、業務委託の形式を取ることで自動的に自分の精神衛生を保とうとしているのかもしれません…笑

あと、私はSOZOW以外にも他に2つのコミュニティにも関わらせてもらっているので、ひとつの組織に固執する必要がないのも精神的な安定を保つうえで大切な要因となっているようにも思います。

ー「コミュニティマネージャー」は関わりが濃密な仕事をすることって、特に信頼は必要な要素ですから感情的に引っ張られてしまうこともありますよね。

本当にそうなんですよ!

SOZOWでも、一緒に働いてる人たちに大いに力になってもらっていることを実感しています。

SOZOWの一員になって間もない頃、子どもたちのコミュニティで衝突というか意見の食い違いが起きてしまったことがあって…。

私はまだ子どもたちの特性を把握しきれておらず、少し戸惑っていたところ、一緒に働く人から「こういう時はこんな言葉をかけてあげるといいですよ」とアドバイスをくださったことがあったんです。

そうやって助け合える環境にいることを本当に「恵まれているな」と思いますし、自分も会社のためにがんばりたいと強く思える。

コミュニティ「マネージャー(管理者)」という肩書ですが、自分もSOZOWというコミュニティの一員であることが幸せに思えるんです。

ーSOZOWで活動されてる中で「コミュニティマネージャーだからこそ大切にすべきこと」や「コミュニティマネージャーをやる中で得られた喜び」はありますか。

私は具体的な数値目標を達成することよりも、どちらかというと、コミュニティに属しているメンバーの喜んでいる表情を見ることを目的に働いているので、コミュニティメンバーの満足度とか、保護者の要望にどれだけ誠実に答えられるかということを大切にしています。

あとは、マズローの欲求5段階説*でいう「安全欲求*」の部分、人間が生きていく上で不可欠なニーズに対して直接的にアプローチできるのはコミュニティマネージャーをするうえで魅力のひとつだと思っています。

⋆マズローの欲求5段階説とは、人間の欲求を「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現の欲求」の5つの階層に分かれているという理論。

⋆安全の欲求とは、身の危険を感じるような状況から脱したいという欲求。心身共に健康、かつ経済的にも安定した環境で、安心して暮らしたいという人間の本能的な欲求をさす。

ーGoogleでは組織の心理的安全性が「チームの生産性向上における最重要要素」と位置づけてますよね。ちなみに、SOZOWでは子どもが中心であるコミュニティになりますが、取り組み方は特別なのでしょうか。

私は個人的に、子どもでも大人でも大差ないと思ってます。

たとえば、大人のコミュニティでも20代の若い人と70代の高齢者が混在するコミュニティだと、それぞれ背景にしてる価値観や考え方は大きく違ってきます。

お互いに会話を重ねて共通認識を増やし、徐々に相手のことを理解し尊重できるようになっていきますが、それはどのコミュニティでも変わらない。

中に入ってくる人たちの背景は人生の数だけ違うんだから当然です。

言葉選びや細かい配慮で便宜を図る場面はありますが、SOZOWにいる子たちは人に対する接し方がある程度成熟してる子が多いので、話せば話すほど「ほとんど大人と変わらないなぁ…」なんて思ってます。

浪人時代に見つけた「生き方の問い」

ー今はコミュニティマネージャーとして活動されているこいさんですが、それまでどう過ごしてきたのか気になります。

私の家は転勤族で、小学校だけでも3回転校したんです。

幼少期から環境が変わる経験が多かったからなのか、自分がいまいる環境の中で「何とかして自分の居場所を見つけなきゃ!」という考えが自然と芽生えるようになり、それは大人になった今もずっと続いてます。

学校生活はというと、基本は大人しかった一方で、自我が強いというか頑固な性格でもありました。笑

納得できないこととか、こうすればいいんじゃないかっていうところを見つけると、「もういい!私がやってやる!」みたいなことがよくあって…。

今となっては無理に自己主張しなくても、適材適所、得意な人がやりたいようにやったらいいじゃんっていう緩めな立場なんですが、子どものころは納得がいかないところは黙ってられない!みたいなかなりめんどくさい人間でしたね。笑

ー自己主張が強めな面倒な人だったこいさんは、誰かから強烈に影響を受けたことってあるんですか

浪人時代…かなぁ…。

今の自分の人生選択の基本軸は「好奇心」だと思っているのですが、そういう考え方をするようになったのが浪人時代なのかなと。

中学生の頃はしっかり勉強していて割と成績も良かったんですけど、高校で進学校に入ってからはわかりやすく落ちぶれてしまいました。笑

勉強で輝けなくなった自分が嫌になり、それを取り返すために部活へ専念したんですが、受験勉強はまともにしていなかったこともあり浪人することになったんです。

部活をがむしゃらにがんばった高校時代もそれはそれで楽しかったんですが、いざ「浪人した」という現実を受け止めたときに、このままだといけないんだろうなと追い詰められ、代々木ゼミナールという予備校へ1年通いながら黙々と勉強をがんばるようになりました。

先に大学に行った同級生たちが海外に留学したりいろんなことを経験している姿を見たときに、勉強しながら「自分が満足いく人生を送るためには何が必要なのか?」をやっと考えるようになったんです。

仲の良かった予備校の先生にも人生相談したり…笑。

その過程で「自分はもっと世界に対する教養を深めたいのかな」と気づいたと同時に、今までの自分は学校や親から言われたことを疑ったり自分なりに考えたりすることもなく、ただ鵜呑みにしてがんばってただけだったんだなと気づいたんです。

ーちょっと寄り道をしたことで冷静に見つめ直すことができた、と。誰か特定の人に強く影響を受けた経験はありましたか。

同じ大学の1個上の医学部の先輩ですね。自分の人生を自分で意思決定することがどれだけ重要なのかを学んだ気がします。

私が大学一年生だったとき、その先輩が「俺は日本の医学界を変える!」と豪語していて、口だけじゃなくて実際に海外に勉強しに行ったり、医学部生だけで作った学生団体で活動したり。「有言実行する人だな!」と思い、生き方がカッコいいなと思ったんです。

そんな先輩にある日飲み会で、「鯉江さんは何がやりたいの?」と訊かれたときに、自分で自分のことがまったくわかってないなと気づき、自分探しの旅じゃないですけど、その日を境に「自分が気になった世界をどんどん見てみよう!」と思うようになりました。

発展途上国に行って現地の文化や歴史を学んだり、現地の子どもたちに勉強を教えたりするいわゆる草の根みたいな活動をし始めました。

自分がそういう大胆な行動をしようと思ったのは、しっかりと自分の足で世界を見ているその先輩に言われたからこそだと思ってるので、その先輩にはいまでも感謝しています。

ー「この人は信頼できるな!」と思う基準は何かあるんですか。

言語化するのが難しいのですが、「あ、この人いい人だ!」ということを直感的に感じられるかどうかで判断してるのかなと思います。

基準でも何でもない…笑

自分がいい人だなと思ったらその人のために積極的に協力したいと思うし、一緒に幸せになることもできると思うんです。

逆に、自分とは合わなそうだなと思うのは、何か不破が起こったときに必ずどちらかが不幸になる未来が想像できてしまうとき。

そういう人と関わってしまうと、お互い幸せにならないと思ってしまいます。

だから、コミュニティマネージャーとして活動するうえでは入り込みすぎないように注意しているんですね。

あまりにも感情が先走ってしまうと好き嫌いだけで行動してしまう可能性がありますし、それではマネージャーとして「いい塩梅」にすることが難しいですから。

心理的な安全性を大事にしなければならないコミュニティ運営で、マネージャーがそれを無視するなんてことがあってはいけません。

だからいま、SOZOWの中で働くことはコミュニティの一員であることを実感するとともに、冷静に自分の立ち振舞いを見つめ直しつづける機会になっていたりします。

「安心安全」と「多様性」の両立へ

ーSOZOWでの活動がいい影響を与えられているようで安心しました。笑 子どもに対する接し方や日本の教育に対する考え方に何か変化はありますか。

子どもたちとチャットやビデオ通話を通じて接していることもあり、子どもたちがすごい発想力を持っていて大きな可能性を秘めていていることを身に染みて感じています。

なんていうか、子どもたちを心の底から尊敬できるようになりましたね。

それに、代表の小助川さんのいう「日本の教育の歪み」を実感を伴って理解できるようになりました。

最近は徐々にオルタナティブスクールのような教育法が注目されるようになってきて、「森のようちえん」ような、里山の中での自然体験を教育に組み込んでいる屋外保育を提供しているところもあったりしますよね。

でも、そういう事業者って日本だとまだまだ少数派ですよね。

教育にもっと多様な選択肢が生まれてくるといいなって思いますし、ITが発達しつつある今はそれが実現できる社会になっていますよね。

小学生や中学生の不登校問題はニュースなどでよく取り上げられていますが、それもオンラインで学校に通わなくても学べる状態になったら解決へと大きく動き出しますよね。

人によって最適な学習方法が選べるようになったら苦しまずに済む人が増えるんじゃないかなと思っています。

このような冷静な視点を持つことができるようになったのは、SOZOWに入って直接子どもと関わるようになったからこそですね。

ーコミュニティマネージャーとして、これからSOZOWをどんな場所にしていきたいですか。

大きく2つあって、ひとつは子どもたちにとって「SOZOW」という場所を安心安全の場として引き続き守り続けていくということ。

もうひとつは、SOZOWに加入する子どもたちが増えていくと考えたときに、多様性を尊重し合える場にしようということ。

現状のSOZOWメンバーは数百人ほどですが、1000人、2000人と増えていくとどうしても思わぬ衝突が起きたり、それが原因で悲しい思いをしてしまう子も出てきてしまうと思うんです。

たとえ、どれだけ人数が増えたとしても、他人を否定しない、むしろ肯定し合えるSOZOWらしいコミュニティ文化をより強く築き上げていきたいなと思っています。

せっかくオンラインで日本だけでなく、世界中の子どもたちと繋がれる土壌が整っているので、その利点を存分に活かせるようなコミュニティにしていきたいですね。

まとめ

「信頼できる人と働きたい」という思いはほとんどの人が持つものですが、それをここまで実現できている人は中々いないのではないかと感じさせてくれたこいさんのインタビュー。

コミュニティ内での心理的安全性を守ることの重要性を知っているからこそ、SOZOWの子どもたちに対してもきめ細やかなサポートが提供できるのかもしれません。

「安心安全を守り、多様性を尊重し合える場にしたい」という、コミュニティ運営に対する意気込みにも期待し、SOZOWスタッフ一同でそのような場所を作り上げていきたいですね!

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