子どもが自分の人生を切り拓くための学びとは? ~FREE FLAT FUN~ 【伊藤羊一さん保護者セミナー】
もくじ
こんにちは!SOZOW ライターのまーくんです。
今回は、6月6日にオンライン開催したZアカデミア学長の伊藤羊一さんと、弊社代表の小助川による保護者セミナーの様子を紹介します。
登壇者紹介
伊藤 羊一
Zアカデミア学長 武蔵野アントレプレナーシップ学部 学部長
日本興業銀行、プラスを経て2015年にヤフーへ入社。現在はZアカデミア学長として、Zホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。2021年4月に武蔵野アントレプレナーシップ学部の学部長に就任。代表作に56万部超のベストセラー『1分で話せ』他、著書多数。
小助川 将
Go Visions株式会社代表取締役
2003年慶應義塾大学卒業後、戦略コンサルティング会社へ入社。株式会社リクルート、グリー株式会社、株式会社LITALICOを経て、2019年6月Go Visions株式会社を創業。
二児の父で、長男は最年少でWorld Robot Olympiad世界7位入賞し、現在はシンガポールの中学へ進学。長女はネットの高校「N高」に進学。
対談テーマ
今回の保護者セミナーは、530名を超える方々からの参加があり、事前アンケートは100件以上も回答いただきました!
セミナー自体も後半部分は事前に収集していたアンケートでの回答結果から得た話題をを中心に行ったことで大変インタラクティブ(双方向的な)イベントとなりました!
セミナーでは、たくさんの質問を集約して以下の3つのテーマをもとに、SOZOW代表 小助川と伊藤羊一さんにお話をしていただきました。
・登壇者について
・これからの学びについて
・子どもへの関わり方について
伊藤羊一さんについて
決定的に足りてなかった「考える力」
伊藤さんはどんな子ども時代を過ごされていたんですか?
ぼくは3つ上に姉がいたこともあり、小学生のときは勉強が得意だったんです。
ただ、当時から考える力があったかというとそうではなく、暗記力が高かったのでそれに頼りっきりでした(笑)。 学校の授業も教科書もすべて丸暗記していて、実際それで麻布中学にも入れてしまったんです。
結局、大学受験まで暗記で乗りきってしまったので学生時代は正しい勉強の仕方はしてませんでした。
ただ、それで困ったのが社会人になってからです。
社会人になったら暗記力だけではなく、しっかりと自分の頭で考えて問題解決していく能力が必要ですが、当時のぼくは考える力がないだけでなく仕事もできなかったので入社3年目くらいでメンタルをやられてしまいました。
会社に行けなくなってしまったんですね。
「なぜ、そんな状態になってしまったのか」は他にもいろんな要因がありますが、やっぱり根本的に考える力がなかったからではないかと考えています。
「考える力のない自分」に後悔しその重要性に気づいたのは36歳のころで、そこからグロービスで様々な模擬授業を受けるなど自己啓発しながら考える力について学び始めたんです。
では「学びの重要性」に気づいたのは36歳になってから?
そうですね。
でも本当に頭が回り始めたのは40とか50歳を過ぎてからです。考える力を実感し始められたのもここ数年ですね。
クリティカルシンキング(批判的思考)やロジカルシンキング(論理的思考)を10年間くらい苦労しながら身につけていきました。その経験から、もちろん知識も大事なのですが、それだけではなく、子どものころから考える力は身につけるべきなんじゃないかなと思います。
大事なのは「問い」を立てて思考を深めること
小中高生の間に考える力を身につける具体的な方法はありますか?
学校ではまだティーチング(先生から生徒へ一方的に教えること)がメインなのではないかと思いますが、家庭でも我々家族が子どもたちにできることは何かあるんでしょうか?
家庭でも友だち同士でもできることはたくさんあります。とにかく大事なのは「問い」を立て合うことだとぼくは考えています。
「なんでそう思うの?」とか「そもそもそれってどうなの?」というように、普段から「なぜ」とか「そもそも」と問うだけでも子どもの「考える力」は大きく成長していくと思います。
つまり、自分の思っていることを言葉にすることが大事なんですよね。
最初は中々むずかしいと思いますが、頭の中にあるアメーバ(言語化されていない漠然とした考え)を自分の言葉に変換していくことが大事ですね。
子どものころから「考える経験」「考えた経験」があるかないかは大人になるにつれて周りの人と大きく差が出そうですね。
ただ最初からできるようにはなりませんから、親としては気を長くしながら「待つ」ことも大事だと知っておくといいのかなと思います。これはあくまでも私の経験則ですが…(笑)
問いには正解がないので、親子で対等に議論や対話を楽しんでみるスタンスが大事ですね。
これからの学びについて
まずは自分が「FREE、FLAT、FUN」に
今回、参加いただいてるみなさんの中にも「これからの学び」について関心を持っている方はたくさんいると思います。
伊藤さんの書籍にもある「FREE、FLAT、FUN」の精神を子どもたちに伝えていくためにはどうすればいいですか?
まずは自分自身が「FREE、FLAT、FUN」になることですね。
それぞれどういうことかというと…
FREEは「常識を疑う」
FLATは「みんな違ってみんないい」
そしてFUNは「楽しみながらやる」
昨今、*well-being(ウェルビーイング)とも言われますが、ヒトが楽しく自らの幸福を手に入れながら生きていくためには、常識にとらわれず「みんな違ってみんないい」の精神で相手をリスペクトする姿勢が必要になります。
そういう環境で育つことで、一人ひとりの学びも大きくなりますよね。そして、子どもに伝える前に、まずは親御さん自身がそういう精神を持つことが大事なんです。
*well-beingとは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいう。(「世界保険機関(WHO)」より)
保護者自身がこの「3つのF」を大事にしているかが、家庭での親子関係に大きく影響する気がしました。
家庭も(一応)組織ですから、中には「親の言うことは絶対だ」というご家庭もあります。でも、そういう家庭はお子さんがグレてしまったり引きこもってしまったり家庭環境はすごく険悪化してしまうケースが多いですよね。
参考記事:親子関係の悩みを改善 - 子供や親とうまくいかない原因(「For Your LIFE」より)
(参加者からの)チャットをみていると問題意識を持っている方がたくさんいるのがわかりますね。
「躾(しつけ)としての教育」も必要ですが「親の言うことを聞くべきである」という価値観だけだと思考停止になってしまいかねません。
それは子どもの将来にとってもあまり良くないことですよね。
つい子どもに対して強くあたってしまうこともあると思いますが、感情的なイラ立ちのようなものはグッとこらえ、子どもの成長に対する投資だと思って接することも重要だと思います。
同感です。
親の常識を子どもに押し付けて、その常識の中でOKかNGかを判断してしまう人はいるでしょうし、私にもそういう時期があったのですが「子どもの成長のため」だと思いグッとこらえていたのを思い出します。
自分にも高2の娘がいて、言ってることが無茶苦茶だと思うことはたくさんある(笑)のですが、やはり子どもでも自分なりにしっかり考えているんですよね。
たとえ生活を一緒にする家族でも、それぞれに人生があるので親の常識で判断せず対等に接していくことが大切ですね。
つい言いたくなってしまったときは「FREE、FLAT、FUN」を思い出してほしいと思います。
すべてのスタートは「好奇心」
あともうひとつ重要なのは、子どもがなんでも言える環境を家庭でつくってあげることですね。
既存教育も必要な中で、今後どのような学びやスキルが必要かということで考えると「好奇心」がすべてのスタートになるのかなと思います。
ぼくも最近、数式に対して好奇心を抱きまして、やっぱり好奇心を持つと自然と「学ぼう!」という意欲が湧いてくる。
物事に対して「すごい!」とか「やばい!」と思えるような感性を育てること、それがとても有効でしょうし、親が子どものそういう感性にふたをしないことが大事かなと思います。
子どもへの関わり方
親はどうサポートする?
先ほどの話と関連するかもしれませんが、子どもが夢中になれることや新しい好奇心に出会うためには、親はどうサポートすればいいんでしょう?
いろんなことにアクセスできる環境を整えてあげることがすごく大事だと思います。
人でなくてもネットや本でもいいんです。ひょんなことから興味を持って、それを親がサポートしながら一緒に興味を持ってあげると良いですね。
今ならネットやYouTubeでいくらでも調べられますしね。
ただ、私自身、いろんな保護者の方を見てきて思うのは、まずは保護者自身がやりたいことをやっているかが大事で、子どもはその背中を見て育っている部分もあるのではないかと。
親が自分のやりたいことを取り組めている姿を見せれていれば、ああだこうだ言わずとも子ども自身が「やりたいことやってもいいんだ!」と気づける素地ができると思うんですよね。
逆に親がやりたいことをやれていない状態だと、子どもに意識が向きすぎてしまうからこそ過干渉になってしまい「いい大学に行かなきゃ!」とか「もっと偏差値上げなきゃ!」などメディアで言われている「常識」や「普通」へ子どもを当てはめて「自分の子はできないのか……」と決めつけてしまいかねないのではないでしょうか。
なるほど。
あとは、子どもたちが身近なところから新しい興味を見つけていることに、親が気づけていないケースが多々あるなと。
YouTubeで教科書では習わないようなことを自主的に調べたりしている子がたくさんいます。
そういう好奇心の芽を摘まないためにも、子どもがYouTubeを見ているときに「YouTubeは見ちゃダメ!」と一方的に取り上げるのではなく「子どもはすでに夢中になれるものを見つけている!」ということに気づいてほしいなと思います。
アントレプレナーシップ学部長の伊藤さんに聞く、将来起業したい子どもが今からできることは?
保護者の方からもたくさん質問がきているのですが、将来起業をしたい子どもが今からできる準備は何かあるんですか?ということで、アントレプレナーシップ学部長の伊藤さんにお聞きしたいなと思います。
やっぱり大事なのは「志」ですね。
少し大袈裟なようにも思えますが、純粋に「これをやりたい!」という想いを持つことが大切なんです。これも先ほど言った好奇心がキーワードになってきますね。
あとは、実際に大人と話しながら世の中の仕組みについて知ることも重要です。
実はぼく、子どもの頃は販売業がなんで商売として成り立っているかわからなかったんですよね。(笑)
「タバコ屋ってなんで成り立つんだ?」と疑問を持つことまでは良かったんですが、原価で仕入れて売値で売るという構造に気づかなくて、儲けがどこから生まれているのかわからなかった。
そういうことを子どもの時から知っておくと、世界の見え方が変わってくるんじゃないかなと思います。
たしかに、家にある身の回りのものもいろんな商売の仕組みで成り立っていますから、そういう会話を家でしてあげると子どもは興味を持つかもしれませんね。
本当にその通りです。
実はSOZOWの会員に、すでに起業している小学生の子がいるんです。
その子の行動を見ていると、どういったことを身につけようかと将来に備えておくこともできるんですが、資本金も少なく起業できるんですよね。
興味や好奇心を持ったら、まずは小さくてもいいから行動してみる。行動すれば目的ができるので、知識や経験の吸収力が段違いに上がるんです。
将来のために備えておくことも大切ですが、今自分にできる範囲で行動してみることが人生をかけた本物の学びになっていくんだなと、起業した子を見て思いました。
起業とまではいかなくても、やっぱり世の中の仕組みを知っておくだけでも、その後の学びは大きく変わってきますね。
武蔵野大学 「アントレプレナーシップ学部」
伊藤氏が学部長を務める武蔵野大学アントレプレナーシップ学部では、様々な挑戦をしている学生さんが多数在籍!
ぜひ、今日のお話を参考にお子さんへの教育のひとつの選択肢としてもご検討ください。
デジタル新時代に活躍できる力を届ける「SOZOW」
「SOZOW」では、習い事事業とスクール事業を運営しております。オンラインのメタバース空間で子どもたち同士で学び合い、交流を深めることができます。
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